7月盂蘭盆会合同法要

7月13日に新盆の方を中心として盂蘭盆会合同法要をお勤めいたしました。

お盆は7月15日、あるいは8月15日を中心にして行われる仏教徒の一大行事です。旧暦が使われていた江戸時代までは、7月15日前後がお盆の期間とされていましたが、新暦に変わった明治以降は、旧暦の7月15日を新暦にあてはめて、8月に勤められるのが多くなりました。そのお盆の由来は、『盂蘭盆経』という教えがもととなっていると言われています。2500年以上前、お釈迦様のお弟子様であった目連尊者が、亡くなった母を餓鬼道という苦しみの世界からお釈迦様の導きによって、救い出すお話が説かれています。古代インド語でウランバナが中国に渡って漢字の盂蘭盆となり、それを日本では諸略してお盆と言っています。日本でもその歴史は古く、『日本書紀』というお書物には606年に初めてお盆の法要が行われたと記されています。

それでは、なぜ日本人は長きにわたりお盆を大切にし、お盆にお墓参りをするのでしょうか?

それは亡き方に「今伝えたい想い」があるからではないでしょうか。

亡き方の懐かしい面影は、どれほど月日が経っても、ふと心に浮かび上がり、亡き方の深い思いに支えられていたことに気づくことでしょう。その中で亡き方が皆様に伝えたかったもの。受け取ってほしかったもの。亡き方とのつながりを再確認し、亡き方のご恩に対し、改めて思いを寄せるのが盂蘭盆会(お盆)です。

「人は去ってもその人のほほえみは去らない。人は去ってもその人のことばは去らない。人は去ってもその人のぬくもりは去らない。人は去っても拝む掌の中に帰ってくる」中西智海師