第14回 みなさんとお坊さんのおしゃべり会

第14回では、3回目となる坐禅体験会を開催いたしました。
「坐禅」と申しましても、私どもは禅宗の寺院ではございませんので、厳格な作法に基づくものではありません。けれども、本堂にてご本尊さまの御前に静かに座し、心を澄ませるひとときをお過ごしいただきました。
仏教における坐禅は、釈尊が菩提樹の下で悟りを開かれた際のお姿に由来し、心の迷いを鎮め、真実を見つめるための根本的な実践とされています。姿勢を整え、呼吸を調え、心を調える――いわゆる「調身・調息・調心」は、古来より大切に受け継がれてきた修行の基本です。雑念が浮かんでも否定せず、ただ気づき、そっと手放す。その繰り返しが心を柔らかくし、仏さまの教えに触れる準備を整えてくれます。
また今回は、初めて禅問答「非風非旗(ひふうひき)」も行いました。
これは、風に揺れる旗を見て「動いているのは風か、旗か」と議論する二人に対し、六祖慧能が「動いているのは風でも旗でもない。あなたがたの心が動いているのだ」と示した有名な問答です。外側の現象にとらわれず、自らの心の働きを見つめる大切さを教えてくれる禅の智慧であり、坐禅の学びとも深く響き合うものです。参加者の皆さまにも、日常の見方が少し変わるような気づきを得ていただけたのではないでしょうか。
現代の私たちは、日々の忙しさや情報の多さに心が揺れ動き、自分自身と向き合う時間を持つことが難しくなっています。坐禅のひとときは、そうした日常から一歩離れ、静寂の中で呼吸を整え、ありのままの自分に立ち返る貴重な機会となります。ご本尊さまの前という特別な空間で座ることで、より深い安心感や安らぎを感じていただけたのではないでしょうか。
今回ご参加いただいた皆さまも、それぞれに心が洗われるような穏やかな時間をお過ごしいただけたことと思います。この体験が、日々の暮らしの中でふと深呼吸を思い出すきっかけとなり、心の安らぎにつながれば幸いです。
最後になりましたが、お忙しい中ご参加くださいました皆さまに心より感謝申し上げます。皆さまとのご縁に支えられ、この会を重ねることができております。今後とも変わらぬお付き合いを賜れましたら幸いに存じます。