秋彼岸会
9月15日に秋彼岸会をお勤めしました。
令和7年の秋のお彼岸は、3月20~26日の7日間です。この季節は、昼と夜の長さがほぼ同じになり、その過ごしやすい時期にご先祖さまに思いを寄せる大切な行事です。私たちが今こうして日々を過ごせているのは、数えきれないほどのご先祖さまの歩みと願いがあってこそ。親がいて、そのまた親がいて…と命がつながってきたからこそ、今の私たちがあります。
ふと立ち止まってそのことに思いを向けると、「自分は一人で生きているのではないんだな」と、自然と感謝の気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。見えないけれど、確かに守られてきたつながりがあるのです。
日々の暮らしの中で、不安や悩みを抱えることもあるかと思います。だからこそ、この秋のお彼岸のひとときに、「ご先祖さまがいてくださった」という確かな事実に心を寄せていただければと思います。命の流れの中に自分が生かされているという実感・気づきが大切です。
また、夕日が沈む西の空の向こうには、阿弥陀如来の極楽浄土があると伝えられています。亡くなられた方々が仏さまとなって、そこにいらっしゃる。そのことを思いながら夕日を眺めるのも、お彼岸ならではの過ごし方です。
昔から日本では、手を合わせることで、大切な方との別れを受け止めたり、また会えることを願ったり、思いを感じ直したりしてまいりました。亡くなられた方の思いは変わりません。変わっていくのは、私たち生きている側です。
だからこそ、亡き方の願いや愛情をしっかり受け止めて、今を生きる私たちがその思いをつないでいくことが大切なのだと思います。
秋のお彼岸が、ご先祖さまへの感謝を新たにし、「私は一人ではない」と感じられる、そんな心あたたまるひとときとなりますよう、心より願っております。




