能登半島地震から1年

能登半島地震から一年が経過しました。この一年を振り返るにあたり、まず、犠牲者や被災者の方々への深い哀悼の意を表します。多くの人々が生活の基盤を失い、心に大きな傷を負ったことを思うと、胸が痛む思いです。
災害後、多くの人々や組織が協力し、復旧・復興に尽力してきました。支援活動に携わった方々、自らの困難な状況にもかかわらず他者を助ける姿勢を見せた被災者の方々、それぞれの努力に心から感謝しています。仏教の教えにある「慈悲」の心が、多くの場面で具現化された一年だったと感じています。
我々僧侶として、「無常」の教えを再確認させられる出来事でした。どんなに確固たる日常でも、一瞬のうちに変わり得ることを忘れてはならないと改めて痛感しました。こうした教訓を通じて、人々が日常の中で感謝や絆の大切さを再認識することができれば、悲しみのなかにも一筋の光が差し込むのではないかと思います。
また、地域社会の結びつきや連帯の力がいかに重要かも感じさせられました。被災地の復興には時間がかかることが多いですが、その過程を通じて新たな関係性やコミュニティの強化が進んでいることも見受けられます。仏教の教えにある「縁起」の概念を思い起こし、私たち一人ひとりが他者との関係性の中で生きていることをより深く理解し、支え合って生きる重要性を再確認することが求められるでしょう。
最後に、被災地の一日も早い復興と、皆様の心の平安をお祈り申し上げます。地震という悲劇を繰り返さないためにも、防災意識の向上や日常生活の中での備えを忘れずに取り組んでいくことが大切です。これからも僧侶として、祈りと支援を惜しまず、多くの人々と共に歩んでいきたいと思います。