住職の法話 第16回 四苦八苦
四苦八苦とは。
四苦とは生・老・病・死のことです。それに、あと四つ苦を付け足すと八苦になりますね。
残りの四つは
①愛別離苦(あいべつりく)愛する者と別れなければならない。
②怨憎会苦(おんぞうえく)嫌いな者も会わなければならない。
③求不得苦(ぐふとっく)欲しい物が手に入らない。
④五蘊盛苦(ごうんじょうく)心身が思うように使えない。眼、耳、鼻、舌、身など。
となります。これを併せて八つです。それではこれらの苦しみはどこから来るのでしょう。
そうです、煩悩ですね。
ですから、仏教は煩悩を捨てて悟りを開く道であると言えます。この考え方を聖道門と言います。
しかし、例え冷たい滝に打たれて果たして煩悩を捨てられるでしょうか。親鸞聖人は20年間とても厳しい修行を比叡山延暦寺で行いました。結果はいずれの行もおよび難き身であったとおっしゃっています。
私たちは死ぬまで煩悩を持ったまま生きなければならないのです。
親鸞聖人の正信偈には
「不断煩悩得涅槃」(ふだんぼんのうとくねはん)とあります。
煩悩を断たずに涅槃を得ると読みます。
煩悩を断つことが出来ない私たちは煩悩を断つことが出来無い事を認識した上で念仏をしましょうという、お愉です。
我々は修行もままならない凡夫であることを自覚してお念仏の毎日を送ることをお薦めくださっているとご諒解ください。
これは、究極の自省の念を持つことにより、私たち衆生(凡夫)は本願力(阿弥陀様の力)でしか救われていかないのだと言うことを知るのだとご承知いただきたいと思います。
なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ 合掌