住職の法話 第13回 還相回向とは

還相回向とは

安楽浄土にいたるひと
五濁悪世にかへりては
釈迦牟尼仏のごとくにて
利益衆生はきはもなし
(浄土和讃)

本日は親鸞聖人のお造りになった和讃を一つご紹介します。
まず和讃とは平安時代から鎌倉時代にかけて流行った今様と言う当時の流行歌のカタチに模して親鸞聖人が一般庶民に分かりやすく教えを説くためにおつくりになられたものです。これは、日本の伝統的な和歌の形式を用いた仏教讃歌の一種です。親鸞聖人は、この形式を通じて阿弥陀仏の教えを讃える歌を数多く作り、それを弟子や信徒たちに伝えました。聖人の和讃は、特に阿弥陀仏の救済についての深い信仰と感謝の心を表現しています。
本日ご紹介するのは、浄土和讃からの一首です。

我々はお浄土に往って成仏しますとね、ちゃんと仏さんとして娑婆世界(私達が生きている世界)に戻って衆生(私達全員)を済度して(救い導いて)くださいます。ですから成仏した人はお釈迦さまと同じだよとおっしゃってますね。素晴らしいですね、私のようなダメ人間でも行く末はお釈迦さんと同じご利益を皆さんにお分けできるのですから。

この「回向」というのはね、阿弥陀さんの働きなんですね。
親鸞聖人の教行信証に「つつしんで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり。一つには往相、二つには還相なり。往相の回向について真実の教・行・信・証あり。」とありますね。

まぁ、ちょつと難しいんでね、回向を分かり易く説明するとね、喩えばお仏壇にお花をお供えしますよね、仏様の為にお供えしたお花ではありますが、私達の方にも綺麗に咲いてますよね、これね、仏に手向けたお花の功徳が私達にも回し向けられてるって事なんですよ。仏さんが、お花をありがとうよ、お前たちも一緒にお花を愛でましょうって事。まぁ、正確な説明じゃないかもですけど、こんな感じだというふうに捉えて下さい。

それでね、まぁお花という物理的な説明しましたけど、
一番大事なのはお心、お気持ちの問題としてね、私達が仏壇の前でお詣りしますね。ご先祖の為に手を合わせたにもかかわらずお詣りした後になぜか心が休まる、ホッとする事ありませんかね?仏様からご安心をいただくんですね。
これがご回向のもっとも大きなおはたらきなんですね。

そういう、ご回向の一つとして成仏した人は私達のところに還って来て私たちをお導きくださるのが還相回向なんですね。

なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ 合掌