住職の法話 第10回 坊主の衣について
皆さん、坊主の装束なんですけどね、お盆の時期に歩き回ってる坊さんは皆んな黒いの着てますね。それで、黒い下には白いの着てますね。宗派によって名前が違いますけど、この黒いのは間衣(かんえ)これは東本願寺系の呼び名、または布袍(ふほう)これは西本願寺系の呼び名、他には改良服(かいりょうふく)これは天台宗、真言宗、日蓮宗、浄土宗などの呼び名。名前違いますけど、だいたい同じ見た目の黒いやつです。まぁ、道中着ですね。
それで、下の白いのは文字通り白衣(はくえ)って言いますね、「はくい」って読むと医療従事者の着てるやつですね。
それでね、黒いのは娑婆を表してて、白はあの世ですね。お侍さんが切腹する時は白装束になるでしょ。だからあの世を表してますね。
つまり、この世とあの世の橋渡しをする役目って考えからこうなってますね。
で、次に法事や葬儀の時は色の付いたの着物の上に袈裟をつけますね。これも宗派によって様々で多分呼び名も様々ですね。浄土真宗では色付きの衣を色衣(しきえ)とか裳附(もつけ)って言いますね。そして袈裟を付ける。袈裟は元々インドの僧侶が身につけてた布ですね、カーシャーヤの音訳が袈裟です。
日本では色や形で僧侶の階級なんかを顕してましたね。まぁ、坊さんのアイデンティティですね。
浄土真宗では五條袈裟とか七條袈裟とかを付けますね。九條袈裟ってのも他宗さんではあるようです。数字が大きいほど重厚になりますね。
あと、余談ですが袈裟男、とか袈裟雄さんて名前が時々ありますね。
あれはね、胎児のとき臍の緒が首に絡まって産まれて来た子に付けられたんですよ。臍の緒に絡まってる状態が袈裟を着ているのに似てるからだそうです。それでね、昔は臍の緒が絡まってると死産になる事が多かったんです。それで絡まっても生きて産まれてくれたんで、袈裟が守ってくれたって意味で袈裟男ってつけられたんだそうですわ。今朝男とか今朝子さんも字を変えてつけられたみたいですよ。
さぁ、ではなんで葬儀に坊さんはキラびやかな装束なんですかね。それはね簡単に言うとお洒落なんですわ。皆さんもホテルなんかにパーティー行く時はドレスアップするでしょ。坊さんも仏様の前に出ておつとめすると時はドレスアップするんですよ、仏様に失礼がないようにね。これを荘厳って言いますね。お花やお供物をお供えするのも荘厳です。
ついでに、道中着つまり黒いやつの時も簡単な袈裟付けますね。輪袈裟とか畳袈裟って言いますね。ウチの女房は私が出掛ける時に、あんた首輪忘れてるよーって犬じゃないんだから!
つまり、法衣と袈裟は必ずセットですね。浄土真宗ではね。
今日は坊さんの衣体(えたい)について述べました。もっと細かくはたくさんありますけど、今日はここまで。
なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ 合掌