令和6年2月の言葉

「いのちのバトン 亡くなった今も続いています」

これは作家、詩人であり、念仏者としての人生を全うされた青木新門様の言葉です。青木新門様は、映画「おくりびと」のモデルとなった『納棺夫日記』の著者として広く知られています。

私たちは誰しも二人の父母から「いのち」をいただきます。子どもがいない人がいても、両親がいない人はいません。その「いのちのつながり・バトン」を私たちは受け取っています。それは両親だけではありません。私とのご縁が遇った全ての方々からの「いのちのバトン」、亡き方からの願いに改めて気づいていきたいと思います。

  いのちのバトンタッチ

  人は必ず死ぬのだから 

  いのちのバトンタッチがあるのです

  死に臨んで先に往く人が 

  「ありがとう」と云えば

  残る人が 

  「ありがとう」と応える

  そんなバトンタッチがあるのです

  死から目をそむけている人は 

  見そこなうかもしれないが

  目と目で交わす一瞬の

  いのちのバトンタッチがあるのです                

  青木新門『納棺夫日記』より