秋季彼岸会合同法要

「亡き方から願われて手を合わす秋彼岸」

本年の秋彼岸は22日秋分の日を中心に前後3日ずつの19~25日の7日間です。この時期は、「暑さも寒さも彼岸まで」と言われるように、少しづつ過ごしやすくなります。また、昼と夜の時間がほぼ同じになり、太陽もおおよそ真東からのぼって真西に沈みます。その太陽の沈む光景を見て、亡き方が仏様となって居られる阿弥陀如来の西方極楽浄土に想いを馳せるのがお彼岸です。 昔から日本では、お彼岸を通して、「大切な方との別れを受け止める」、「大切な方とまた会う」、「想いに触れ直す」という味わいをしてきました。亡き方からの想いは変わることはありません。変わっていくのは生きている私たちです。だからこそ亡き方、仏様からの変わらない想い、願いを受け止めていただきたいと思います。手を合わせながら、亡き方の想いに触れ、その手の中、胸の中が亡き方の想いで満たされることもあるでしょう。亡き方がいのちを通して私達に伝えたかったこと、受け取ってほしかったこと、亡き方から受けた愛情、亡き方にささげた愛情を忘れないでいることができるのは、今ここを生きている私達、自分自身です。そのつながりを再確認させていただくのも秋彼岸です。

「闇の夜の月の光の有難さはわかるけど 太陽の光は大きすぎてわからない 

雨の日の傘の有難さはわかるけど 屋根のご恩は大きすぎてわからない

隣人の親切の有難さはわかるけど 親のご恩は大きすぎてわからない」

『病に生かされて』村上速水師