住職の法話 第5回 阿弥陀仏とは(1)

阿弥陀仏は大慈大悲の如来と言われます。大悲とは阿弥陀仏の専売特許です。

阿弥陀さまの性格を顕すのに良く「親様」ってことを言いますけど実際は親より深い愛をくださいます。何故なら父母の愛は人間の愛ですから煩悩です。阿弥陀さまの愛は煩悩の無いピュアな愛です。

ですから、私が苦しいときは一緒に苦しんでくださり、悲しいときは一緒に悲しんでくださり、楽しいときは一緒に楽しんでくださり、嬉しいときも一緒に喜んでくださるのが阿弥陀さまです。

阿弥陀さまの別名は無碍光仏、無量光仏、無量寿仏などと言います。これらも阿弥陀さまの性格を顕してますね。さえぎることの出来ない光の如来さま、量り知れない光の如来さま、量り知れないいのちの如来さま。寿という字はいのちと言う意味です。寿命という熟語はいのちいのちと同じ意味の字を重ねて作られたものです。いのちがあるから、めでたいので寿なんです。 
ちなみに仏=如来です。

そして南無阿弥陀仏とは、南無は帰依するという意味、帰命とも言います。平たく言うとおまかせしますと言う意味。なので南無阿弥陀仏は阿弥陀さまに全ておまかせいたしますと言う意味。

なんで全てをおまかせするかって言ったら、例えば私は100歳まで生きるぞって心から念じて願っても叶いますか?無理ですよね。お仕事とかお勉強なら努力して達成するってことがあるかも知れないけど、いのちばかりは思う通りいきませんね。
だから阿弥陀さまにおまかせなんです。
以前他力本願の話をしましたけど、他力とは阿弥陀さまの力。阿弥陀さまにおまかせするしか手立てが無いから他力本願なんです。決して他人のふんどしの話じゃありません。

ですから、お念仏する時は南無が付かないとダメです。御利益ありません。必ず南無阿弥陀仏です。ついでに、「なんまんだぶ」とか「なまだぶ」って言い方は短念仏って言いまして、南無阿弥陀仏って言いにくく噛みますよね、ですから読み書きできない人でも簡単にお念仏できるように、なんまんだぶでも良いよというおはからいです。
南无阿彌陀佛